9月13日(日)マスターズ全国リモート学習会を開催しました。Zoomによる学習会は今回で3回目です。今回は「コロナ渦を新しい人生の転機に変える!」というテーマで小川常務理事が講師をお務めになり、オンラインで集った聴講者31名が出席、意見交換を行いました。

当日の講話では、新型コロナ感染症拡大の経緯、現在どういう状況で、今後どう変わっていくのか、私たちはどう取り組んでいくのかということをお話していただきました。

前半の内容は割愛しますが、後半、会長の著書『こだまする生命』を引き合いにされ、「己を生かすのではなく、他を生かすことによって己が生きる。そんな共生の原理にたった幸福の追求こそ、人間として本当の道にほかならない」こと。他者とは自分以外の人であり、最も身近な人(妻や家族)。相手を活かすということが学習の第一歩である。それには、自分の共感力を高め、それを相手のかかわりに生かしてほしいと語って頂きました。

示されたスライド「家族と心通わす共感型対話の勧め」の部分では、どこかに出かける妻に「どこにいくの」「だれといくの」「なぜいくの」という問いかけではなく、「気を付けていってらっしゃい」と言って見送るなど具体的な実践方法を示されました。5W1H(いつ、どこで、だれと、なに、なぜ、幾ら/いくつ)から始めてはいけないということです。耳の痛いお話でしたが、問題解決型対話をするという男性脳が本能的にあり、苦手なことではありますが、このコロナ禍において、家族と長い時間を共有する今でこそ、自身の共感力を高める機会ととらえ、「他者を活かし、自分を活かす」ことを目指して日々取り組んでいきたいものです。

「◇◆9/13(日)「スコーレ・マスターズ全国リモート学習会」を開催しました」への1件のフィードバック

  1. 講話の内容一部です。

    今はWithコロナといわれるように、如何にコロナと向き合っていくのか、日本の企業がテレワーク主体に移り、地方への移転が進んでいる状況や、今後Afterコロナの時代が来たとしても、コロナ以前の様には戻らない、距離、時間の節約という点でオンラインの良さを生かしオフラインのハイブリッドという形で社会は進んでいくでしょう。
    マスターズの学びの一つである「自己実現を図る」は、「マズローの欲求5段階説」の最上級を目指して学んでいるという自覚と、さらに、会長の著書『こだまする生命』を紹介され、その上の段階「他者を活かし、自分を活かす」、「自己実現から自己超越」を目指して、マスターズで日々取り組んでいきたいという思いがいたします。

    「マズローの欲求5段階説」のスライド(当日Zoomで共有表示されました)をご覧ください。
    第1段階:生理的欲求(人間が生きていくための基本的な欲求)が満たされると、次に第2段階;安全欲求(健康、経済的な安定への欲求)を追い求め、第3段階の社会的欲求(家族の一員として、会社、グループなどの社会に受け入れられたいという欲求)、第4段階の承認欲求(周りから認められる、褒めらたい欲求)、第5段階の自己実現欲求(自分の素質や能力を発展させて、より完全なる自己実現をさせたい欲求)の欲求5段階説です。
    一方、マスターズの学ぶ理念・テーマには、「人生の危機管理能力を高める」「自己実現を図る」とありますが、このマズローの欲求説に当てはめると、最上級を目指して学んでいることになります。

    また、マズローは晩年、第6段階説を唱えていて、自分のためにだけでなく他者のために自分以外の人を豊かにしたいという欲求の段階であり、それは自分のエゴを超えた哲学的な領域です。これに関して、永池会長は著書『こだまする生命(いのち)』(P229)の中で、「自分さえよければよい、自分さえ成功すれば、自分さえ幸福になれば、という生き方では、成功も、幸福もおぼつかない、そんな時代に、私たちはいま、踏み入りつつあるのです。他を犠牲にして、己を生かすのではなく、他を生かすことによって己が生きる。そんな共生の原理にたった幸福の追求こそ、人間として本当の道にほかならない、と私は信じています」と述べています。『こだまする生命』という一冊の本を凝縮したらマズローの第6段階説の欲求に尽きることになります。これを出版したのは30年前のことです。その後創立35周年記念に出された「一語一会」3月6日掲載分には、次のように記されています。
    “「他者を活かし、自分を活かす」がすべてのことにおける基本である。「自分を活かし、他者を活かす」では順序が違う。”
    マスターズで学ぶ私たちは、自己実現から自己超越を目指して、日々取り組んでいきたいという思いが致します。

    さて、「他人(ひと)を活かす」という他人(ひと)とは誰かというと、私以外はすべて人ということになります。ここで、お勧めしたい対象として、男性にとって一番身近である奥さまを上げていただきたいと思います。
    その前に、男性と女性の違いをまずは認識してほしい。当然、男女は平等であることは言うまでもありません。人として生かされて生きている存在感は男であれ女であろうと平等です。しかしながら、体のつくりは違います。女性には出産という大切な役割がありますから、臓器が一つ多いです。それとともに脳の働きも異なります。よく男性脳と女性脳といいますが、女性はどちらかというと共感型対話を好み、男性は問題解決型対話です。大昔から狩りをしながら進化してきた男性脳にとって、脳内では、問題解決のための回路がとっさに働くことになります。疑問に思ったことは即座に質問する、相手の欠点やしていないことを指摘する働きにより言ってしまう。いままで人類が生き残って受け継がれてきた私たちの男性の尊き脳の癖である。しかし、これは、女性としては受け入れがたいことなのです。

    仕組みがわかったからそれでいいのかというだけでは、夫婦の会話も成り立たない。その違いを乗り越えていいコミュニケーションを作るにはどうしたらよいか。男性として、夫としての心得を申し上げます。
    それは、「家族と心通わす共感型対話の勧め」です。つまり、いきなり「5W1Hで話しかけない」ということです。5W1Hとは、When、Where、Who 、What、Whyです。たとえば、身支度してどこかに出かけそうだと「どこにいくの」「だれといくの」「なぜいくの」という問いかけではなく、奥さんが出かけようとしたときに「気を付けていってらっしゃい」といって見送りましょう。奥様が、見たことのない高価なドレスを着ていたとします。「いくらしたんだ」「いつ買ったんだ」というと、責められているように捉えられてしまいます。「そのドレス君に似合っているよ」「着こなしがいいね」と言うと、奥さんから理由を話してくれることもあるでしょう。

    妻の変化や、してくれたことに気が付いて、それを言葉にする。大事なことは言葉にして伝えるということです。それを自然に出来るようにするにはどうするのか、自分の共感力を高めることです。

    会長は、『息子たちの危機』のテーマ:「自らの“共感の世界”を創造せよ」(p88)で語られていますが、一言でいうと「その折々の自分の快感覚をストレートに表現する」ということです。花を見て美しいと思ったら「美しい」「きれいだなあ」と。独り言でいいのです。食事をしておいしかったら「おいしい」、何かをしてもらったら「ありがとう」と。お風呂に入っていい湯加減だったら「気持ちがいい」と言葉に出す。相手にも伝わりますし、自分の共感力を高めることにもなります。

    意外と心の中では思うのですが、なかなか言葉にして伝えていないところがあります。言葉に出すことによって、その言葉が自分の耳を通してはいってくる。

    もう一つお勧めですが、奥様の美点長所をつたえる。その人なりの良いところが必ずあるので、それを見つけて言葉で伝える。かしこまれは、郵便でおくるとか手段はありますが、そこまでしなくても、メモ書きや、メールでなにか連絡するときには、「君のいいところはここだよ」、「ここすごいね」と一言添えると変わってきます。

    自分の共感力を高め、それを相手のかかわりに生かしていく。どれか一つでも実践して続けて、一つの習慣にしてください。最も身近な人に対しての相手を活かすという学習の第一歩になります。

    コロナ禍という大変な状況ではありますが、何事も2面性がありますので、日頃出来ないことが、この時期だから出来る場合もあります。今ほど家族と長い時間を共有するということが今までなかったのではないかと思いますし、それだけに、夫と妻、親と子どもとのコミュニケーションを深めていく絶好のチャンスと感じます。
    男性の皆さんには苦手だとは思いますが、あえて、自分の共感力を高める機会にしていただければと思います。
    いつまでコロナが続くのか予測ができませんが、我慢するのでなく辛抱しよう。我慢だと耐えられません。辛抱すると未来を拓けてきますので、
    来月もお元気でお会いしたいと思います。
    (事務局 記載 文責 藤田和弘)

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