2月17日マスターズ研修(シニアコース)

2月17日マスターズ研修(シニアコース)が開催されました。
テーマは「心身の健康回復と禅」(山下相談役)でした。

1.私の禅との出会い
  (1) 高校先輩の紹介で「脱落禅会」曹洞宗系、在家の居士につく
  (2) 約300名の会員(官庁、企業その他:男女比は9割方中堅男性)
  (3) 勤務先役員の紹介で鎌倉円覚寺朝比奈老師の指導も受ける
2. 朝比奈宗源老師のことば
3.私の修業歴から
(1)「悟り」的体験:身の軽さと朗らかさ
(2)社内「うつ」患者を禅によって救済
(3)精神的「たこつぼ」から引き出す
4.現代病「うつ」の特徴と処方について(試案)
(1〉「孤独」という睾を飲むな
   ~良き趣味・良き友人達との交わりを
(2)人生の目標を高く掲げよう


「坐禅がもたらす心身の健康回復」
山下勝也
 私は毎朝、起き抜けに一人静かに坐禅を組む。まず揺振(ようしん)をして体をほぐした後、姿勢を調え、呼吸を調え、心を調える。三十歳代半ばに禅との出会いを得てから今日までの三十年余、この習慣はしっかり身についたようだ。
 リラックスと精神統一の時間は、私の生活の重要なひとこまである。心身の疲労回復、リフレッシュばかりではない。自分や家族などについて重要なことは、テーマを一日一頭からはずし、無心の境地からひらめくものを大切にして決定してきた。
 参禅に深刻な動機はなかった。就職・結婚、そして一女一男の子宝を授かり、公私ともに充実した毎日であったと思う。妻と幼いふたつの命を抱いて、しつかりしなければいけないと、遅ればせながら父性の自覚にいたったのかも知れない。
 坐禅の師や同輩からは、学校教育とビジネス社会では得られなかった、多くの人生哲学を学んだ。良き師、書き友に恵まれることは幸せである。鎌倉の円覚寺の暁天坐禅会に参加し、そのご縁で故朝比奈宗源老師に師事したこともある。
 老師いわく、「坐禅をするということは、人間の心をいろいろなとらわれから解放することです。正しい智慧は、とらわれのない生活からでなければ出ない。とらわれがあったら片寄る」「下腹に力を入れ、心を落ち着かせてくれる坐禅は、心の病気にとっては絶対な薬です。いまの人は腹を練ることを忘れて、頭、頭といく。そして頭でっかち尻すぽみというような人間ができる。腹に力を入れ、腹を練る。昔の人は腹ということをやかましくいったものです。あいつは腹のすわったやつだとか、腹のできたやつだとかという」と。
 自分が救われたから、人にもお勧めしている。最近では欧米でも、精神の分裂から統一へ、興奮から鎮辞へと、安定した気持ちをもたらす修養法として関心が高まっている。
 現に、昨年からマスターズ研修に導入された「リラクゼーション禅」は、米国マサチューセッツ大学医学部で開発された「ストレス対処およびリラクゼーション・プログラム」にヒントを得て導入されたもので、東洋古来の英知について認識を深め、心身の健康回復を志すものである。
 できるだけ多く、とくに働き盛りの方のご参加を期待したい。


八方塞三がりでも
 人生、どんなに行きづまっても、どこかに道はあるものです。″八方塞がり”という言葉がありますが、ただ本人に先が見えないから、どこもかしこも塞がっていると思い込むのではないでしょうか? スポーツの試合で、よく逆転劇があります。人生にもそうしたドラマが存在することを思うのです。
 道はどこかにある。ただ、その道が見ぇないから、行きづまっていると考えてしまうのです。絶望的な情況から、新しい人生を創造している多くのすぐれた人々の生きる姿にふれ、その思いを深くさせられるのです。
(永池榮吉著『こだまする生命』から)

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